第50回 30で50

どうも自家焙煎珈琲パイデイアです。「焙きながらするほどでもない話」50回になってございます。

夏の暑さがいつまでものさぼっているせいで、中秋の名月も栗ご飯もすっかり影を潜めて、ニュースでは記録的な暑さと大谷翔平選手の50−50という大台の話ばかりです。

50−50ってなんのことかと思ったら、ホームランが50本と盗塁が50本って組み合わせのことらしいですね。ホームランを打ったら盗塁はできないわけで、なんか変な組み合わせの記録だなと思ってみています。

「よし、なんか新しい記録でも作ろうよ。なんか案ある?」
「ここはどどーんとホームラン100本なんてどうでしょう?」
「いや、ホームラン100本は無理だね」
「あー、かといって、50本を記録とするのはちょっと中途半端じゃないスカ?」
「じゃあ、ホームランじゃないけど、出塁した回数と合わせる?」
「でも、出塁ってなるとホームランに比べてちょっとハードルが低いっていうか…」
「そう?じゃあ、ホームインした回数?」
「それはもはや当人の実力じゃなくないですか?ほら、だって、出塁しちゃったらその先は後続打者が打つかどうかにかかってるわけですし…」
「じゃあ、出塁した上で、なおかつ、自分の力でなんかやるってこと?」
「盗塁とかってどうですか?」
「盗塁?いや、だって打力と足の速さって全然違う力じゃんよ、それを組み合わせる?」
「あーそうですかね…あ、でも、イチローの内野安打って、打力が足りないのを足の速さで補った記録ってことじゃないかですか?」
「まー確かにそうかな…じゃあ、まあ、それで行こうか」

みたいな会話があったかどうだか知りませんが、どちらにしろ、盗塁が噛ませ犬として、いいように使われている記録に思えてなりません。
とにかく、私が言いたいのはですね、記録として更新すればどんな記録でもいいのかってことなんですよ。
朝ごはんが和食の日のホームラン本数、記録更新です、とか、改札をSuicaで抜けたらピッタリ0円になった日の奪三振、これで一位とタイです、みたいな記録まで生まれかねないんじゃないかと思うんですよ。

そんなに大騒ぎするほどの記録なんでしょか?
もっともこれは私がスポーツに極端に興味がないせいも大いにあるんでしょうけど。

余談ですが、私も大谷選手も同じ94年、大江健三郎さんがノーベル文学賞をとった年に生まれています。
調べてみると、この年、メジャーリーグでは大規模なストライキが結構されていたらしいです。

同じ50でも、向こうは世界的記録の大台、こっちはすみっこのエッセイの回数、実になんとも次元が違うものです。
かといって、僻みをいうわけじゃありませんが、じゃあ、私が大谷の記録を打ち立てたいかと言えば、申し訳ないけども、さほど魅力的な記録に見えないわけです。
本当はそういう焦燥感みたいなものを持っていたら、いいのかも知れない。けれど、私にはそういう感覚がどこかに落としてしまったようなんです。
もちろん、現状に満足しているわけではないんだけれど、私が思うものでは全然ない。
なんだか言葉にするのが難しい沼にハマり始めましたね。

私は私で私なりの大谷選手になりたいフィールドがあるはずなんだけど、それが見つかっていない、ということなのか。
いや、珈琲屋になったんだから、それは珈琲が認められることだろ、っていうんですけど、それもそうだけど、それだけではない。
じゃあ、珈琲以外に何をそんなに求めているのか。

現状と将来について考えると、結局いつもここにたどり着いてしまい、そこから先に進めなくなってしまいます。
みんなどうやって、この先に進んでいるんだろうか。

自分の意思を持って生きていくの、ムズ過ぎません?

〈information〉

自家焙煎珈琲パイデイアでは毎週火曜日にNoteも更新しております。 パイデイアの珈琲と一緒に楽しんで頂きたいコンテンツを、誰のためじゃありません、私のために書き留めております。
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さらにSpotifyで「飲みながらするほどでもない話」という自主配信ラジオを毎月偶数土曜日に配信しております。第二の故郷と愛してやまない茅ヶ崎のラジオ局、茅ヶ崎FMで冠番組を持ちたいと一人喋りの練習をしております。
気が向いたら、こちらもぜひ聴いてみてください。

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