第40回 結局、時間かも知れない

どうも自家焙煎珈琲パイデイアです。焙きながらするほどでもない話、第回となっております。

最近、読んでいる本にプチ鹿島さんという芸人さんが書いた「教養としてのアントニオ猪木」という本があります。

ちなみに、私は同時に4、5冊を読み進めるタイプの読み方をする人間です。(これは天才に多い読み方だそうです、別にだからってどうっていうことじゃないですよ、ただ、私は数多の天才と同じ読み方をしています)

私はこの手の「教養としての」という使い方が嫌いです。

教養のために「知っている」ということで終わってしまうもののあり方はいかがなものでしょうか。ものを知って面白がるってそんなに使い捨てじゃないと思うんですけど。

まえがきで、プチ鹿島さんはそんな昨今の「使い捨て教養主義」へのアンチテーゼとして、あえて「教養のための」という枕詞を使ったんだと書かれています。

そんなこんなで全くプロレスを通ってこなかった私が、アントニオ猪木について読みながら、教養ってなんだろうって考えます。

本屋には、教養という言葉で飾って、知識の大前提として強要してくるかのような本が並んでいます。そんな本には明日、昨日、今日、用はないです。

果たしてそんなものが面白いのでしょうか。

何かに役立つから、と身につけた知識が面白いことなんかありません。

鹿島さんが語る猪木は、ただ夢中で追いかけていた少年の蓄積でしかありません。

蓄積です、蓄積。

東京03の飯塚さんが銀だこにビンタする感じです。(知らない人ごめんなさい、そういうコントがあるんですよ)

鹿島少年は何十年か後に、猪木本を出すぞ、なんてことを打算的に考えて、追いかけてやしません。ただ、目の前に面白いものがあるのです。だから、追いかけているのです。知的好奇心に従っているだけです。

そして、それが時間を経て蓄積して一つの知識形態に収斂されていくのです。

ただ、その知識形態を教養とは言わない気がします。

その蓄積してできた知識形態が別の知識形態と繋がるとき、このパイプのことを教養というのではなかろうかと考えました。

長い時間見てきて、気付いた一つのことが、別のことと同じ構図になっている、そんな気付きが教養の入口だと思うのです。t

プチ鹿島さんで言えば、政治です。

プロレスラーの人間関係、団体の悲喜交々が政治家の政党の動きに似ていることに気付きます。つまり、ここにパイプを見出すのです。

ただ単に物事をたくさん知っている、そんな雑学王を教養と呼び始めてしまっては、時間をかけて何かを見ていく、という費用対効果は低いけど、でも、それでしか見られない景色がどんどん失われていくような勿体なさすら感じいます。

というか、「費用対効果」ってなんだ、おい。

自分の知的好奇心で物事を追いかけるんだから、見返りなんか必要ないでしょ。

それでいうと、私はまだまだ珈琲に関して、何かが蓄積するほど追いかけていません。今、私が人に話せる珈琲に関しての知識、そのほぼほぼがどこかで読み聞きした雑学でしかありません。

時間をかけて、いろんなことを試して、蓄積させるには時間が必要です。まだまだ、そんな到底及びません。

長い時間かけて、面と向かって対峙して、それでようやく分かるようなものが珈琲にあるんでしょうか。

おそらくあるんでしょう。だからこそ、背中が見えるなんてことはおろか、足跡すら消えかかっているような大先輩がたくさんいらっしゃるのでしょう。

それまでは、もう少し、いや、まだまだ、珈琲を続けなければ。

「なければ」?「たい」の間違いだろう。

〈information〉

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今週は映画「違国日記」についてです。すごく良かったシーンがあって、それについて熱く書きました

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