自家焙煎珈琲パイデイアの「焙きながらするほどでもない話」第14回です。
珈琲をいつまで飲んでるんですかって話をしたいと思うんですね、今日は。
珈琲を焙いて、売ろうという人間が何を言ってるんだと思うでしょう。でもね、もう珈琲は飲み物じゃないんですよ。
じゃあ、珈琲はなんなのか。珈琲は調味料なのです。しかも煮込み料理の。
これを聞いて、一番驚くのは珈琲自身でしょう。今まで、自分のことを飲み物だと思ってやってきたのに、急に調味料だなんて言われて。
同僚は紅茶やルイボスティーだと思ってのに、実は調味料、それも塩や胡椒みたいなお馴染み調味料ではなく、ローズマリーやローリエみたいな、一回使われたきりで、そのあと出番もなく、冷蔵庫のポケットの隅で、スーパーで寿司買った時についてきたなぜか捨てられていないわさびの隣に放置される系、調味料と同じだなんて。
でも、珈琲はそういう存在であってもいいと思うんです。もはや、珈琲の可能性を探し続けると、行き着くところは調味料なのです。
結構、冗談染みた言い方をしましたが、隠し味に珈琲を使った煮込み料理は結構美味しいものです。
先日、牛肉の赤ワイン煮込みを作った際、完成も間近というのに、なんだか物足りない感じがするのです。蜂蜜入れて甘味もあるし、結構な時間を煮込んで野菜の出汁も肉の旨みも出ているし、でも、なんか物足りないのです。
何かヒントはないかと冷蔵庫をのぞいてみると、わさび、オイスターソースなんかがありますが、ちょっと違う気がする。オレンジジュースは良さそうですが、鴨じゃないからなぁ。
その奥にあったのが珈琲です。
半信半疑で牛肉の赤ワイン煮込みに大さじ2杯くらいの珈琲を入れてみると、かなりしっかりしたこくが加わり、ちょっと高級な感じがします。これはいいじゃないですか。
棚からぼたもち、煮込みに珈琲。ちょっと違うな。
今年のクリスマスの鶏もも肉の煮込みにもやってみようと思います。
珈琲が好きすぎて、飲むだけではこと足りず、料理に使ったみたらこれがかなり良かった、という話でした。