どうも自家焙煎珈琲パイデイアです。「焙きながらするほどでもない話」第42回でございます。
暑い日が続きます。みなさん、つつがなくお過ごしでしょうか?
聖徳太子が隋の皇帝煬帝に送った書の中で「つつながなきや」と記したことで有名なこの文句は、「ツツガムシ」というダニの一種が由来らしいです。
つまり、「ダニに刺されていませんか?」ということです。なんだか、それって「そんな汚い部屋に住んでるかもしれないけど」という行間が読めて、聖徳太子、失礼なやつ説がいまだに私の中にあります。
煬帝は「日出づる天子」よりも「つつがなきや」に怒ったのかもしれません。
結構、こういうこと知っているんですよ、私。
そんなことを知っているかなんだ、ということではあるんですけど、知っていると、外の世界との結びつきが多くて、面白かったりもします。
今週は、私が育った相模原では、吹奏楽コンクールがあるみたいです。
懐かしい、響きです。コンクール。
中、高と吹奏楽部に所属していた私は、計6回出場したことになります。
夏休みに入ると、暑い音楽室で、高校は冷房が効いていたけど、毎日同じ曲をずっと練習し続けるんです。
今にして思えば、よくも飽きなかったものです。
ちょっと前までは、そんな頃に戻りたいと心底思っていました。
30歳になる私からすれば、13、14年前でしょうか。
よく、高校時代に戻ったら、全く同じ3年間を過ごす、なんてことを言っていました。
何かの選択に後悔しているわけではなく、いや後悔している選択もあります、けれども、その選択のいく末の結末を知った上で、もう一度同じ選択を重ねていくのです。
この時、こっちを選択したから、あの人と別れることになったとわかっても、こっちを選択します。
あの時、あっちを選択していたら、修学旅行がもっと楽しかったかもしれない、とわかっていても、あっちは選択しません。
「もっと」楽しかったですからね。
しかし、ここ数年は、高校時代に戻りたいなんてめっきり思わなくなったのです。
なんででしょうか。
思い返してみると、高校生に戻りたい、というよりは、高校生に戻りたいと思っていた頃、に戻りたくなっているような気がします。
しばらく時間が経ったせいか、今の私が高校生の頃を思い返すその間にも、違う記憶が挟まっているのです。今となっては、その挟まった記憶がすでに懐かしくなっているのです。そういえば、その頃から、母校の
夏になると、どうしてか、懐かしい頃のことを、未練でもなしに、タラタラと言いたくなります。
アスファルトに揺々と揺蕩う陽炎に似ているからでしょうか。
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今週は歌舞伎座の七月大歌舞伎夜の部「裏表太閤記」についてです。歌舞伎みたいないわゆる「伝統芸能」を難しいと思っている人にほど、見てほしい、いい芝居でした。
ぜひ、こちらも合わせてご一読くださいませ。
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気が向いたら、こちらもぜひ聴いてみてください。