第2回 珈琲を言葉にしよう

どうもこんにちは。

珈琲の販売を開始してから、幾日か。

ありがたいことにこんな隅っこから珈琲を買ってくださる方がいて、お金を頂戴するなんて、なんともお恐れたことを始めてしまったな、なんて思いながら、焼かせていただいております。

お買い上げの皆様、本当にありがとうございます。

当面の間は、試作品をほぼほぼ原価で販売しております。

よろしければ、こちらからお買い求めください。

最近、コーヒーの味をどうやって言語化するかということを考えています。

つまり、コーヒーの苦味、酸味、甘味、コクをどうやって言葉で伝えるか、ということです。

最近は浅煎りのコーヒーに対して、「柑橘」「チョコレート」「カカオ」「グレープ」とかいう例えで表現することが多いようです。しかし、これがコーヒーの味を本当に的確に表現しているかというと、かなり訝しくないですか?

そもそも、オレンジの香りのコーヒーが飲みたい人間は、オレンジ食べた方が早いんじゃないの?とか思ってしまいます。

私が斜に構えすぎかしら…

じゃあ、コーヒーの味を例えの名詞を使わずに、形容詞で表してみようと思うわけです。

だって、形容詞は名詞を修飾するために存在するのに、その役割を名詞に奪われては不憫でならない。

同じ飲み物でも、ワインや日本酒にはいろんな形容詞が使われています。

ワインが重たいってなんでしょう? 日本酒が芳醇ってなんでしょう?

下戸の私には皆目検討もつきません。しかし、日本酒を飲んで、さつまいものような甘みとか、ワインを飲んで、桃のようなフルーティーさ、とかは言わないでしょう。

だって、お米と葡萄で出来ているんだもの。そりゃ、同じカテゴリーとの共通項はあるでしょうよ。

ラーメンを食べて、パスタのように麦が香りますねとか、鴨肉を食べて、牛肉のようなジューシーさとか言うのと同じな訳ですよね。

味覚の言語化ってフィルム映画のコマ送りみたいなものだと思うんですね。

どう言うことかというと、舌は部位によって感じる味が違うわけです。甘さは先っぽで感じて、酸味を裏側で、苦味が奥、という具合に。

ということは、珈琲を口に含んでから、厳密にはすべての味を同時には感じてはいないのです。

だって、珈琲が先っぽに触れてから奥に触れるまでには、コンマ何秒の差があるはずなのですから。

さらに「ということは」で話を進めると、あとから感じる味が強いとき、最初に感じた味が上書きされていることがあるはずなのです。

一瞬のシーンが何百枚、何千枚ものコマで構成されているフィルム映画のように、一口の珈琲も色んな味によって、微妙な時間差で構成されているんだと思うんです。

その一瞬の味覚をコマ送りするように、引き延ばして、一コマ一コマの味を言語化していく。

珈琲の味を言葉にすることは、そんな作業だと思っています。

さて、私の焼いた珈琲はどんな言葉で表されるのでしょうか?

よろしければ、ぜひご賞味ください。

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