どうも自家焙煎珈琲パイデイアです。「焙きながらするほどでもない話」第47回を迎えてございます。
もう1週間か。前回は、書いている途中で何かあるだろうと、ゴドーさながら、待ちながら指を動かしてみるも、何も出てこないまま。とんだ雑文でした。
あれを読み返すと、思い出すナイツの漫才があります。
お兄ちゃんは佐賀でお馴染みの塙さんが「絶対にウケる漫才のフォーマットを見つけた」と言い出すのです。伯山先生の出産祝いを1000円で済ましたでお馴染みの土屋さんが説明を求めるのですが、「これは大発見なんです、めちゃくちゃ面白いんです」と言うばかりで一向に説明しない塙さん。
最後までその説明するなく袖にはける、というシステム上たった一回しかできない、漫才です。すごい面白い。
そのうち書くことがあるから、と言いながら、最後まで書くことが思い浮かばないまま、くだらないシャレを言って筆をおいた先週を思い出します。
今週はそれとなく、あれでも書こうかな、と思っていることがあります。
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最近、ファミレスに行かなくなりました。
まず第一に、ファミレスで簡単にご飯を済ますなら、それを3食、家の有り合わせで我慢して、美味しいを一食を食べたいよね、と言う意見で御台所と合致したので、ファミレスや回転寿司に言って簡単に済ますことをやめたからです。
その代わりに冷凍庫にはコストコで買ってきた焼くだけの肉とかが小分けになって凍っています。
それから、もう一つ、コロナを挟んでファミレスの深夜営業が減ったからです。
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高校卒業から茅ヶ崎に越して来るまでの数年間、何も成し遂げていない自分、何者でもない自分に対して、変な自意識と劣等感を両手から溢れるほど抱えていました。
その頃の私にとって、深夜のファミレスという場所は何者でもない自分に対する慰めのような場所でした。
何者でもないって言いますけど、自分が何者かである思っていると言うことが、そもそも何かを間違えています。20年くらい生きたかどうかぐらいの人間に出来ることなんて、そんなにありません。
でも、あの頃は、自分は何か出来る人間だと思い込んでいたのです。
早朝からドトールでバイトして、昼に終わって、授業に行かずに大学の図書館で背伸びした本を読んで、部室に向かって誰かとちょっと喋って、塾のバイトに行く。
22時にそれが終わって帰ると、その日一日、自分が何もしていないような焦燥感に襲われます。一日がバイトとダラダラで終わってしまったような勿体なさ。
そんなことを思うなら授業に出ろって、今なら言うんですけどね。
カバンに大学の課題とか、原稿用紙とか、そうだあの頃はよく公募用の小説を原稿用紙に鉛筆で書いてましたよ、詰めて込んで、深夜までやってるブックオフで何か一冊買って、駅前のガストに24時くらいに入るんです。
ブックオフで買ってきた本はその夜にしか開かないので、20ページくらいにしおりが挟まれた本が、未だに何冊も本棚に並んでいます。新しい本棚がそろそろいるなと思っています。
あの頃の私にとって本は読むことには意味がなかったんじゃないか、と思います。
本を買うことで、一冊の本が本棚に増えることで、自分が少しだけ変わった、買う前の自分とは違うんだと信じたのでしょう。
深夜のガストもきっとそうでした。別に24時から7時までの短い時間で何かが出来るわけではありません。
だって、今さっき興味を持って買った本だって20ページ、大学の課題も数行書いてお終い、そもそも授業にも出てないのに何を書こうというのか、原稿用紙にもなんかそれらしいものがちょっとあるだけ。
しまいには、YouTubeで落語聞き始めちゃうんだもん。枝雀師匠、よく聞いたな。
でも、眠気に焦燥感が飲み込まれる頃、結局、何もやり切らなかったけど、この時間にガストにいた自分は、入店する前の自分とはちょっと違うんだと信じていたのでしょう。
駅に向かうスーツ姿のサラリーマンとすれ違いながら、一限は行かなくていいか、って家路についていました。
〈information〉
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今週は芥川賞を受賞した朝比奈秋さんの「サンショウウオの四九日」についてです。
ぜひ、こちらも合わせてご一読くださいませ。
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